こんにちは。元小学校教員のまつこです。
道徳の時間は内容項目を学習したあと、最後は「余韻をもたせて終わるのが効果的である」といわれています。そんなときにおすすめなのが、内容項目に合わせたテーマでの絵本の読み聞かせです。
授業の終わり5分〜10分間で内容に関連する絵本をしっとりと読み、授業を終えましょう。
この記事では、道徳の内容項目にあわせたおすすめの読み聞かせ絵本を紹介します。
こんな人におすすめ
- 初任の先生
- 道徳の授業の終末に絵本の読み聞かせをしたい先生
- 道徳の時間におすすめの本を知りたい先生
低学年向けから高学年向けへと学年が上がっていく順に紹介しています。
道徳の時間に読み聞かせをしたい絵本15選
『みえるとかみえないとか』ヨシタケシンスケ
主な内容項目:個性の伸長
おすすめ学年:全学年
目の見えない人が「見る」世界は、ぼくとは大きくちがっていた…
「見えない」世界はどんな世界なんだろう?
かわいそうなの?
「ふつう」ってなんだろう?
『みえるとかみえないとか』は子どもから大人までみんなで読めて、考えさせられる絵本です。
『どうぞのいす』作:香山美子 絵:柿本幸造
主な内容項目:親切・思いやり
おすすめ学年:低学年
「どうぞのいす」を舞台に繰り広げられる、動物たちの行動がとても素敵な絵本です。
やってきた動物たちが「どうぞのいす」にのっている食べものを、「どうぞならば」と食べてしまいます。
だけど、
「からっぽにしてしまっては、あとの人におきのどく」といって持ってきたものをおいていきます。
『どうぞのいす』は、動物たちの「思いやり」を感じられる絵本です。
最後のオチもよくできていておもしろいですよ。
『ともだちや』作:内田麟太郎 絵:降矢なな
主な内容項目:友情・信頼
おすすめ学年:低学年〜中学年
「ともだち」を売るきつねと、そのきつねに声をかけるおおかみの物語です。
『ともだちや』は「本当のともだちってなんだろう?」と考えるきっかけになる絵本です。
『ありがとうともだち』作:内田麟太郎 絵:降矢なな
主な内容項目:親切・思いやり/感謝
おすすめ学年:低学年〜中学年
『ともだちや』シリーズの続編です。
キツネを楽しませようと「おおはりきり」のおおかみですが、失敗続きで…
がっかりさせちゃったな、とへこむおおかみに、きつねが言った言葉とは?
『ともだちや』シリーズは、シリーズ全般を通して、道徳の授業にぴったりな絵本ばかりです。
ぜひ、シリーズの他の作品も読んでみてくださいね。
『しっぱいにかんぱい!』作:宮川ひろ 絵:小泉るり子
主な内容項目:希望と勇気、努力と強い意志
おすすめ学年:低学年〜中学年
『しっぱいにかんぱい』は、失敗しても大丈夫!という、今の子どもたちに特に伝えたい大切なことを教えてくれる絵本です。
この絵本を読むと、「やってみようかな?」と勇気がわいてきます。
「〇〇にかんぱい!」というシリーズものになっていて、他の本もおすすめです。
『ずーっとずっとだいすきだよ』作・絵:ハンス・ウィルヘルム
主な内容項目:生命の尊さ/自然愛護
おすすめ学年:低学年〜中学年
主人公と、大好きな愛犬エルフィーとの別れを描いています。
「愛情は言わなくても伝わる」、そう思ってしまいがちですが、この絵本は
「だいすきだよ」
と言葉にして伝える大切さをあらためて教えてくれます。
『ずーっとずっとだいすきだよ』は、小学校1年生の国語の教科書にのっています。大人も子どもも、何度でも読み続けたい絵本です。
『わたし』作:谷川俊太郎 絵:長新太
主な内容項目:個性の伸長
おすすめ学年:低学年〜中学年
「わたし」を様々な立場から眺めた絵本です。
おとこのこからみるとおんなのこ。
あかちゃんからみるとおねえちゃん。
おにいちゃんからみるといもうと。
など、哲学的なことをわかりやすい言葉と絵を通して伝えてくれる作品です。
『花さき山』作:斎藤隆介
主な内容項目:感動・畏敬の念
おすすめ学年:中学年〜高学年
山に山菜を採りにいったあやは、出逢った山ンばに「花さき山」の話を聞きます…
良いことをするときれいな花が咲く「花さき山」。山ンばは、なぜ花が咲いたのか、数々のエピソードを話してくれます。
本を読んだ後は、「みんなの花も咲かせたいね」と子どもたちに声をかけましょう。教室に「花さき山」スペースを作って、友達の良いところや感謝のエピソードを掲示するのも良いですね。
『あなたが うまれた ひ』作:デブラ・フレイジャー
主な内容項目:生命の尊さ
おすすめ学年:中学年〜高学年
命の大切さや、「あなた」が生まれた日の喜び、尊さをあらためて子どもたちに伝えることができる本です。
この『あなたが うまれたひ』は、ぜひご家庭でも読んであげてほしい一冊です。
『としょかんライオン』作:ミシェル・ヌードセン
主な内容項目:規則の尊重/親切・思いやり
おすすめ学年:中学年〜高学年
図書館にライオンがあらわれて…
『としょかんライオン』は、「きまりをまもる」ことや「他人を思いやること」の大切さを子どもたちに教えてくれる本です。
『ほんとうのことをいってもいいの?』作:パトリシア・C・マキサック 絵:ジゼル・ポター
主な内容項目:正直・誠実
おすすめ学年:中学年〜高学年
「うそをついてはいけない」
「ほんとうのことだけを言おう」
そう決めた主人公ですが、ほんとうのことを言おうとすればするほど、まわりのみんなは怒ってしまいます。
どうしてでしょうか?
子どもたちも主人公と一緒に考えることができる絵本です。
「ほんとうのことをいう」ことも大切ですが、「人を思いやること」はもっと大切だと気づかせてくれます。
『いのちをいただく』原案:坂本義喜
主な内容項目:生命の尊さ
おすすめ学年:高学年
動物を食べられるお肉にする「いのちをとく」仕事について描いたノンフィクションの絵本です。
この『いのちをいただく』を読むことで、普段から食べているお肉のありがたみ、それに従事する人の思いを知ることができます。また、キャリア教育として「仕事」という観点から読んでみても良いでしょう。
『ことばのかたち』作:おーなり由子
主な内容項目:親切・思いやり/相互理解・寛容
おすすめ学年:高学年
もしも言葉が目に見えたら?
何色だろうか?
どんな形だろうか?
相手にトゲトゲと刺さっていないだろうか?
ほんわか、かわいらしいイラストの絵本ですが、攻撃的なことばを表現するページは、大人の私が読んでもかなりの衝撃でした。
『ことばのかたち』は、「ひとことの重み」について考えさせられる絵本です。
『ぼくがラーメンたべてるとき』
主な内容項目:国際理解、国際親善/生命の尊さ
おすすめ学年:高学年
「ぼくがラーメンたべてるとき、よそではどんなことが起こっているのか」
はじめは何気ない日常の様子だと思うのですが、読み進めていくと、大人でもはっと考えさせられるものがあります。
朝の読み聞かせには少し重すぎるテーマかもしれません。高学年の中でも、6年生の最後の方(学年の終わりごろ)に読むのがおすすめです。
『クマと少年』作・絵:あべ弘士
主な内容項目:伝統と文化の尊重、国や郷土を愛する態度
おすすめ学年:高学年
北海道の先住民族である「アイヌ」のもつ文化や、北海道の大自然が描かれている作品です。
兄弟のように過ごした少年とクマ。時を経て、アイヌの伝統文化であるイオマンテ(熊送り)をするときがやってきました。
熊送りとは、アイヌの最高の神とされるクマを天に帰す儀式です。
『クマと少年』は人間が動物、自然とともに生きていることを実感できる絵本です。
まとめ
この記事では、道徳の時間におすすめの絵本を紹介しました。
まとめ:道徳の時間に読み聞かせをしたい絵本
- 『みえるとかみえないとか』
- 『どうぞのいす』
- 『ともだちや』
- 『ありがとうともだち』
- 『しっぱいにかんぱい!』
- 『ずーっとずっとだいすきだよ』
- 『わたし』
- 『花さき山』
- 『あなたが うまれた ひ』
- 『としょかんライオン』
- 『ほんとうのことをいってもいいの?』
- 『いのちをいただく』
- 『ことばのかたち』
- 『ぼくがラーメンたべてるとき』
- 『クマと少年』
道徳の学習の終末に迷ったときには、ぜひこの記事を参考に絵本の読み聞かせをしてみてください。
皆様の参考になれば幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
まつこ
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