国語力が高まる「学級討論会」のやり方・ルールを紹介します。小学生向けの討論会(ディベート)のテーマ例も!

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まつこ

こんにちは。元小学校教員のまつこです。

この記事では国語力が高まる「学級討論会」についてまとめました。後半にはテーマの例も多く紹介していますので、ぜひ最後までお読みください。

「学級討論会」は事前に準備するものもありませんので、明日からすぐに学級の子どもたちと一緒に取り組むことができますよ。

皆様の参考になれば幸いです。

こんな人におすすめ

  • 小学校の先生
  • 子どもたちの国語力を高めたい
  • 討論会のテーマをたくさん知りたい

目次

「学級討論会」とは?どんな力がつくの?

「学級討論会」とは?

学級討論会とは、その名の通り「学級で討論をすること」です。「討論」は「ディベート」ともいい、主題について異なる立場に分かれて議論をすることをいいます。

小学校では5年生や6年生の国語の教科書に「学級討論会をしよう」という単元が入っています。「対立する2つの意見」について自分の立場を明確にして話をすることで、さまざまな力をつけることができます。

「学級討論会」でつく力

学級討論会で小学生が身につけられる力は多いです。
まずは「聞く力」。相手の話をよく聞いていないと、自分の立場からの反論はできません。「聞く力」と合わせて必要なのが「理解力」です。相手が何を伝えたいのか、相手の立場からの意見を理解する力がついてきます。

自分の立場から意見を伝えることによって、「自分の考えを言葉で伝える力」や「構成力」も身に付きます。相手を説得させるために自分の考えをどのような言葉を使って、どんな順序で伝えるのが良いか。論理立てて文章を構成する力がつきます。

議論する立場ではなく「判定員」や「司会者」の役割になった際には「情報処理能力」「情報リテラシー」などの力をつけることができます。
「情報処理能力」は文字通り与えられた情報を正しく処理する力です。司会者になると双方の意見を正しく処理をして、整理をしながら会を進めていく必要があります。「情報リテラシー」はその情報が正しいかどうかを冷静にジャッジする力です。情報が行き交う現代社会を生き抜く上ではたいへん重要な力です。

「学級討論会」でつく力

  • 聞く力
  • 理解力
  • 自分の考えを言葉で伝える力
  • 構成力
  • 情報処理能力
  • 情報リテラシー

「学級討論会」のやり方&ルール

この章では、「学級討論会」のやり方やルールを説明します。

①お題決め

討論会のお題を決めます。
お題は、例えば「出かけるなら海が良いか、山が良いか」など、2つの異なる立場があるものにしましょう。

お題の例はこの記事の後半で紹介しています。参考にしてみてください。(お題例までスキップしたい方こちら)

②役割決め

会の中での役割を決めます。

・司会者:1、2名(学級の人数によって変更可能)
・判定員:5名(学級の人数によって変更可能 奇数名)
・残りの全員を半分に分け、海チーム・山チームに振り分ける

海チーム、山チームへの振り分けは、はじめのうちは希望をとっても良いです。子どもたちにとってそれぞれ理由を考えやすい立場があるからです。

学級討論会の活動に慣れてきたら、希望を取らずに機械的に振り分けていくようにしましょう。どの立場になっても相手を説得できるような意見を考えることができれば、「自分の考えを言葉で伝える力」や「構成力」はさらに高まっていきます。

③討論開始

立場の異なる2つのグループで主張を伝え合ったり、質疑応答をしたりします。一例ですが、以下にやり取りの流れを書いておきますね。

STEP
意見Aの主張

今回であれば、「出かけるなら海がよい」理由を海チームが伝えます。

STEP
意見Bの主張

「出かけるなら山がよい」理由を山チームが伝えます。

STEP
作戦タイム

主張を聞いて、質疑応答に向けてグループごとに話し合いをします。

STEP
意見Aへ質疑応答

山チームから、海チームへ疑問に思ったことなどの質問をします。海チームはグループで考えながら答えます。

STEP
意見Bへ質疑応答

今度は海チームから山チームへ質問をします。司会者は双方の意見を汲み取りつつ、話が逸れないように調整をしながら進めていきます。

STEP
作戦タイム

グループに分かれて最終弁論の準備をします。最終弁論は、主張や質疑応答での意見を含めた最後のアピールタイムです。

STEP
最終弁論(A→B)

最終弁論として、グループでまとめた意見を伝えます。

④判定

最後に判定員たちがどちらのチームの意見がより説得力があったのかを判定します。判定員たちが挙手をして多かったチームが勝利となります。

討論会は勝敗よりも意見を伝えたことによって「判定員たちの心が動いたかどうか」という点がとても重要です。判定後には各々が感想を伝える時間もとることができると良いですね。

小学生向け「学級討論会」のお題例20個

最後にお題の例を紹介します。子どもたちの発達の段階にあわせて、どちらの立場になっても具体的に考えやすいものを選びましょう。

【生活系】
・想いを伝えるなら電話がよいか手紙が良いか
・旅行にいくなら北海道か沖縄か
・住むならものすごく都会とものすごく田舎どっちがいいか
・住むなら暑い国と寒い国どっちがいいか
・朝食はご飯がいいか、パンがいいか
・ペットの動物か野生の動物どっちが幸せか
・大人と子どもどっちが幸せか
・一度だけ行けるとしたら過去と未来どちらがいいか
・宇宙人はいるかいないか
・兄(姉)と弟(妹)どちらがお得か
・お金と時間、どちらが大切か

【学校系】
・学校はお弁当がいいか、給食がいいか
・国語と算数、将来に役立つのはどっちか
・宿題は必要かどうか
・テストは必要かどうか
・遠足に行くなら水族館と動物園どちらがいいか
・中学校は制服がいいか私服がいいか
・学校の授業に「図工」(音楽、体育など)は必要か
・勉強とスポーツ、どちらが大切か
・読書はマンガでもよいかどうか

まとめ

この記事では高学年の国語力が高まる活動「学級討論会」を紹介しました。

まとめ:「学級討論会」をしよう

  1. 「学級討論会」でつく力
    聞く力、理解力、自分の考えを言葉で伝える力、構成力、情報処理能力、情報リテラシー
  2. 「学級討論会」のやり方・ルール
    お題決め→役割決め→討論開始→判定
  3. 「学級討論会」のお題例
    子どもたちの発達の段階にあわせて、どちらの立場になっても具体的に考えやすいものを選びましょう。

はじめは自分たちの意見を考えることだけで頭がいっぱいの子どもたちですが、慣れてくると相手の意見を聞いてそれに対する反論を考えることができるようになってきます。そうなってくると学級で白熱した弁論バトルが繰り広げられることでしょう。
「学級討論会」は子どもたちの国語力をつけるだけでなく、やっている側も見ている側もとても面白い活動ですので、授業参観の際にもおすすめです。

まつこ

みなさんの教室でもやってみてくださいね。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

まつこ

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この記事を書いた人

元小学校教員、現在は保育士のアラサー。一児の母。運動療育の児童発達支援で発達障害をもつ子どもたちにHAPPYをお届け中!読書、邦楽ロック、フェス、サッカー観戦など趣味多め。

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