本好きな子どもたちを育てる 小学校の学級文庫の作り方〜ルールの例やクラスでの楽しみ方も紹介〜

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まつこ

こんにちは、本大好きまつこです。公立小学校の教員として働いていました。

みなさんは「学級文庫」とは何か知っていますか?この記事では本好きな子どもたちを育てる「学級文庫」の作り方についてまとめました。

こんな人におすすめ

  • 小学校の先生
  • 初任の先生
  • 学級文庫の作り方を知りたい人
  • 子どもたちにたくさん本を読んでほしい先生

目次

学級文庫とは?

学級文庫とは?

学校,主として小学校の各教室に設けられるコレクション。児童生徒や教師などの図書の持ち寄りや学級費などによる図書購入などから発生した文庫であるが,公共図書館や学校図書館からの団体貸出によって資料がそろえられることが多くなり,現在は学校図書館の分館として機能する傾向がある。特に小学校低学年には図書館利用の導入として意義がある。運営は担任教師の指導のもとに児童生徒の自主的活動に任せられる。

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 学級文庫は学校図書館とは異なり、各学級につくる文庫のことです。教室の中(後ろや横)にあるロッカーの上や中に位置付けられることが多いです。学校によっては、学校図書館の他に各学級にあらかじめ一定数の本が置いてある(学級文庫がある)ところもあります。

子どもたちの読書活動を充実したものにするために、学級文庫は非常に有効なツールです。

まつこ

自分のクラスにも学級文庫を作りたいな・・・!

学級文庫の作り方

まつこ

学級文庫をつくるにはどうすればよいか、手順をみていきましょう!

1.学年の先生方に相談する

各学校によって学級文庫の形態は様々です。すでにその学年に合わせた本がクラスに置いてあるという学校もあるでしょう。私がいた学校では特に低学年の教室にはあらかじめ絵本が置いてあることが多かったです。
皆様の学校ではいかがでしょうか?

もし各学級に本がない場合は、まずは同じ学年の先生方に相談をしましょう。その際には、クラスに本を置くメリットをしっかりと伝えましょう。

\学級文庫のメリットはこちら参照/

同学年に複数のクラスがある場合は、学年で足並みをそろえるということが意外と大切です。
自分のクラスだけで勝手に動いてしまうと、せっかく作った学級文庫を撤収しなければならないという最悪の事態も考えられます。学年の先生には根回しをしておきましょう。

まつこ

学年の先生方と一緒に学級文庫を作れたら最高ですね!

2.学級に置きたい本をリストアップする

学級文庫を作ることが決定したら、次は選書です。その学年の授業内容に関わる本や、どんなクラスにしていきたいかという先生の思いに沿った本などを選びましょう。

\学年ごとのおすすめの本を知りたい方はこちら/

学級文庫のよさは、時期によって蔵書を入れ替えることができる点です。新たな本を置きたくなったときにはいつでも追加をすることができますので、まずは「いま」子どもたちに読んでほしい本を選びましょう。

3.本を準備する

本を準備する方法は4つあります。後述しますが、その中で私がおすすめするのは③と④です。それでは、一つずつみていきましょう。

①自分の本を持参する

先生が自分の本を持参するという方法があります。この方法は先生自身のお気に入りの本を学級の子どもたちに紹介したいときにはよいかもしれません。

しかし、わざわざ学級文庫のために本を購入する必要はありません。学校は先生が個人的に購入したもののお金が経費としておりるわけではないので、身銭をきることになってしまいます。
また、クラスの子どもたちが自由に本を読むことができる環境のため、先生の大切な本が破れてしまったり、汚れてしまったりするかもしれません。

以上の理由から、先生が自分の本を持参するという方法はおすすめできません。どうしても子どもたちに読ませたい本がある場合は クラスで読み聞かせをしたり、本を紹介して「興味がある人はぜひ本屋さんで買ってみてね」と声をかけたりする程度にしておきましょう。

②クラスのみんなで本を持ち寄る

子どもたちが自分のおすすめの本を持ち寄って学級文庫を作る、という方法もあります。私自身が小学生の頃、クラスでこの試みをしていました。

でも、こちらもおすすめできません。①と同様に本が破れてしまったり、汚れてしまったりする可能性があるからです。また、紛失してしまった際などにも責任の所在がはっきりしません。

子どもたちのおすすめの本を紹介する時間を作ることは、さまざまなジャンルの本に興味をもってもらうためにはとても有効な活動です。
児童それぞれのおすすめの本を紹介する場合は、自分の本を持参するのではなく学校図書館で同じ本を探し、それを学級文庫に置くようにしましょう。

まつこ

ということで、これから紹介する2つが本を準備する方法としておすすめです!

③学校図書館から借りる←おすすめ!

学校には「学校図書館」という立派な図書館がありますので、それを利用しない手はないでしょう。

学校図書館の本を学級に置きたい場合は、学校司書の先生に相談をしてみましょう。
「学級の子どもたちに本を読ませたいんです!」担任の先生にそう言われて嬉しくない司書の先生はいません。きっと喜んで相談にのってくれますよ。

学校図書館にはクラス単位または担任自身で本を借りられる制度があるはずですので、それを利用しましょう。私が働いていた小学校では担任の先生は1ヶ月間、計20冊までの本を借りることが可能でした。
期間や冊数は学校によって異なっていますので、学校司書の先生に聞いてみましょう。

④市や区の図書館から借りる←おすすめ!

調べ学習などで一人一冊の本が必要となる場合もありますよね。生活科の授業で植物や動物について調べたり、国語の授業で本の紹介をしたりするときなどです。

そんな時には、1ヶ月などの単位で市や区の図書館から本を借りられる制度があります。学校図書館よりも同シリーズでの冊数が多いのが特長です。申し込みや受け取り、返却も簡単です。他校とタイミングが重なってしまうと借りられないこともありますので、授業で使いたい場合は早めに問い合わせるとよいでしょう。

まつこ

利用できる制度は遠慮せずどんどん利用しましょう。

4.学級文庫のルールを決めて子どもたちに共有する

学級文庫をクラスに作る際は、本を読むタイミングや貸し借りなどのルールをしっかりと決めておく必要があります。以下に学級文庫のルールの例を挙げておきますので、参考にしてください。

学級文庫のルール(例)

◎本を読んでもいいタイミングを定める(休み時間、朝読書の時間、フリー時間)

学級文庫の良さは、いつでも本を読むことができることです。それゆえに、ルールをしっかりと決めておかないと授業中にも本を読みたくなってしまう児童も出てきます。
私は休み時間や朝読書の時間はもちろん、テストの後や自習プリントを解き終えた後などにも子どもたちに本を読んでほしかったので、本を読んでもよい時間に「フリー時間」という名前をつけて、その時間は読書OK!というルールにしていました。

◎机の中に入れておいていい本は一人一冊まで
◎読了までに長くかかりそうな本は、貸出ノートに本の題名と名前を記入しておく

学級文庫の中には、絵本などのようにすぐに読み終えることができる本と、小説などのように時間のかかる本があります。
読み終えるまでに時間がかかる本は、各々の机の中に入れておいてもよいということにしていました。ただし、机の中に入れていい本は一人一冊までと定めました。また、その際は貸し出しノートに本の題名と自分の名前を記入しておくというルールも追加し、学級文庫の本を管理していました。

◎友達が読んでいる本を読みたくなったときにはその本に予約しおりを挟んでおく

友達が読んでいる本が読みたくなることもありますよね。その際には、予約しおりというものを利用していました。予約しおりとは自分の名前が書かれたオリジナルのしおりです。あらかじめ1人1枚ずつ作成して、持っておきます。

友達が読んでいる本を読みたくなったときには、その本に予約しおりを挟ませてもらいます。(すでに予約しおりが入っている本に新たに別の人が予約しおりを入れることはできません。)

予約しおりが入っている本は、読み終えた時点でそのしおりの人に渡すようにします。

まつこ

学校生活に慣れてきたら、子どもたちと一緒に話し合いながらルールを決めていくのもよいですね!

学級文庫の楽しみ方

最後に、学級文庫を使って子どもたちと一緒に読書を楽しむ方法を紹介します。

おすすめ文庫

先生や子どもたちのおすすめの本を学級文庫に置きます。
本の魅力をまとめた帯やポップを作ったり、朝の会などに本を紹介する時間をとったりすると読書活動がより楽しくなりますよ。

読み聞かせ合い

普段は大人に本を読み聞かせしてもらっている子どもたち。
たまに、自分たちで読み聞かせをしあうと面白いです。好きな絵本を一冊ずつ選んで隣の席の人に読み聞かせをしたり、日直がクラスみんなの前で読み聞かせをしたりと様々なパターンが可能です。

人気投票

学級文庫にある本の人気投票をしてみるのも面白いです。
学級内で本のランキングをつくることで、普段読んだことがないジャンルの本にも目を向けることができます。

まとめ

この記事では、学級文庫の作り方と楽しみ方を紹介しました。みなさんのクラスにも学級文庫を作って、子どもたちと一緒に楽しい読書活動を始めてみませんか。

まつこ

子どもたちがたくさんの素敵な本と出逢えますように。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

まつこ

\学年別におすすめの本を知りたい方はこちら/

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この記事を書いた人

元小学校教員、現在は保育士のアラサー。一児の母。運動療育の児童発達支援で発達障害をもつ子どもたちにHAPPYをお届け中!読書、邦楽ロック、フェス、サッカー観戦など趣味多め。

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