この記事では、元放課後等デイサービス職員がお子さんの放課後等デイサービスを選ぶにあたって、ぜひここを見てほしいという点をまとめました。
こんな人におすすめ
- 放課後等デイサービスを探している
- 放課後等デイサービスに見学の予定がある
- すでに通っている放課後等デイサービスを変えたい
参考になれば幸いです。
放課後等デイサービスは事業所によってさまざまな特長があります。
見学や体験を通して、お子さんに合った事業所を選んでくださいね!
放課後等デイサービスとは?
「放課後等デイサービス」とは、障害のある子どもたちや発達に支援が必要な子どもたち(小学1年生〜高校3年生まで)が通う福祉サービスです。
主に放課後や休日、長期休み(夏休み・冬休みなど)に利用することができます。
見学・体験ではここを見よ!
放課後等デイサービスを決める際は、ぜひ一度見学や体験に行ってみることをおすすめします。
見学・体験の際はまずはこちらをしっかりと確認しましょう。
- 活動内容(決まったプログラムの有無、時間)
- 利用者の年齢分布(小学生低学年が多い、中・高生が多いなど)
- 送迎の有無(学校や家まで送り迎えをしてくれるかどうか)
事業所内でどのような活動をしているのか、雰囲気はどうかなどを実際に見てみてお子さんに合った事業所を選びましょう。
さて、ここからは元放課後等デイサービス職員の目線で、さらにチェックしてほしい部分を紹介します。
送迎車がきれいかどうか
送迎つきの放課後等デイサービスの場合は、可能でしたら送迎車を見てください。その際に見るポイントは
- 施設の名称が書いてある車を使用しているか。
- 車椅子マーク(介護マーク)が車体に貼ってあるか。
- 車体に傷や凹みがないかどうか。
- 車の手入れがある程度されているかどうか。
などです。
施設の名称が車に書いてあるということは、その施設の名前を背負って「常に責任のある安全な運転をしている」ことの証明になります。
車体の傷や凹み、手入れについても同様で、その事業所の運転の安全・安心さをある程度予測することができます。
送迎を希望されている方はお子さんの安全にかかわる大切な部分ですので、ぜひ意識して見てみてください。
施設の掃除が行き届いているか・収納が整理整頓されているか
部屋の中の掃除の状態をチェックすることも大切です。また、収納がごちゃごちゃとしていると、気が散ってしまうお子さんも多いです。掃除が行き届き、整理されたお部屋はお子さんが安心して過ごすことができますよね。
昨今は流行病もあり、部屋の掃除や手入れはますます欠かせなくなってきています。しっかりと消毒や手洗いができる場があるかどうかも忘れずにチェックしましょう。
靴箱・ロッカー・掲示物が子どもにとってわかりやすいか
発達に支援が必要なお子さんにとって、活動の見通しを持つことができるわかりやすい掲示物は必須です。
「視覚優位」のお子さんや文字を読むことが難しいお子さんのためにイラスト等を使ったわかりやすい掲示物があるか、時計が読みやすくなっているか、1日の流れが視覚的にわかりやすく掲示されているかなどをみると良いです。
自分の子どもが迷わずに準備や片付けができそうかどうか、想像しながら部屋を見てみましょう。
職員が子どもとどう関わっているか
お子さんがいる時間に見学・体験ができたのなら、ぜひそこにいる職員が子どもたちに対してどんな様子でかかわっているかをしっかりと見てください。
昨今は放課後等デイサービスなどの福祉施設における虐待・わいせつ行為等のニュースが後を絶ちません。同業者としてはとても悲しいですが、現実です。
部屋の中にいる職員たちが、子どもたちの健全な成長のために真摯に関わっているかどうかは様子を見ていてわかります。
ぜひ、働く職員の姿をしっかりと見ていただけたらと思います。
発達の特性に対する決めつけ等はないか(職員の知識があるかどうか)
見学・体験時に職員と話をする機会があります。お子さんの特性について、困っていることやつけたい力、好きなもの、得意なこと、苦手なことなど、さまざまな話をしていきます。
その際に、お子さんの発達の特性について職員がどのような反応・判断をするかということもしっかりとチェックしてください。
「自閉症ということは、〇〇ですよね」
などと、病名やその特性に対して一方的に決めつけてしまう職員もいます。
子どもの発達は様々で、十人十色です。確かに障害の名前によって似たような傾向が見られることもありますが、そう簡単に決めつけられることではありません。
お子さんの発達について職員と話す中で、納得のいかないことがありましたら、ぜひ我慢せずにその気持ちを伝えてほしいと思います。
施設が明るい雰囲気かどうか
施設の第一印象、雰囲気はどうでしょうか。お子さんが楽しく通うことができそうな明るく楽しそうな雰囲気がありますか。
働いている職員の挨拶、話しぶりはいかがでしょうか。
基本的な部分ではありますが、初めに感じた施設の印象はとても大切です。
自由時間にどのような過ごし方をしているか
「放課後等デイサービス」には、預かり型と療育型があります。
預かり型は、放課後から17:00、18:00頃まで施設でお子さんを預かります。宿題をする時間やおやつの時間などがありますが、そのほかの時間は自由に遊んで過ごすことが多いです。
療育型は、ソーシャルスキルトレーニング(SST)や運動療育、音楽療育、工作、プログラミングなどあらかじめ決められた療育プログラムをおこなう施設です。1回あたり60分など、通う時間が決められているところが多いです。
そして実は、そのハイブリット型(預かり型かつ療育プログラムあり)の施設も多く存在します。その施設では、
学校に車で送迎
→到着してからは自由時間(おやつなどを食べる)
→その後プログラムをする
(→あれば自由時間)
→車に乗って帰る
というような流れで放課後の時間を過ごします。
このようなハイブリット型の施設では、メインであるプログラム部分しか見学・体験することができない場合もあります。
でも、可能であるならば自由時間の見学もさせてもらいましょう。
子どもたちが自由に過ごしている時間ほど、その施設の本質がでます。
施設の大人たちのかかわりは適切なものになっているでしょうか?
送迎でスタッフが少なくて安全が確保されていない、などという状況が生まれていないでしょうか?
自由時間の見学をして、施設の子どもたちの様子をしっかりと見ることをおすすめします。
もし、「見学はプログラム時間のみでお願いします」と自由時間の見学を断られるようであれば、自由時間は見られたら困るということになりますよね。そんな「放課後等デイサービス」はちょっと怪しいし不安ですね。
最後に“とても大切なこと”
最後に、「放課後等デイサービス」を探すにあたって「とても大切なこと」をお伝えします。
それは、その場所に「お子さん自身が通いたいかどうか」をしっかりと確認をするということです。
私は実際に放課後等デイサービスで働いていて、「保護者は施設に通わせたいけれど、お子さんが前向きではなく、結局辞めてしまう」というシーンもよく見てきました。
放課後等デイサービスで働く職員たちは、お子さんが楽しく通うことができるように様々な工夫をしています。
でも、無理やり施設に入れられたお子さんがその状況を心から楽しめるようになるのには、職員の力だけでは正直難しいです。
「苦手を克服する」ために行きたくない場所に連れて行かれるのは大人でも嫌ですよね。
実際に放課後等デイサービスに通うのはお子さん本人です。本人が楽しく通えるところに入れてあげてほしいと感じます。
お子さんが「楽しい!」「また行きたい!」と思える施設を探すことができると良いですね。
終わりに
インターネット等で検索をすると、「放課後等デイサービス」といっても本当にさまざまな施設が出てきます。
どの施設も、それぞれに長所・短所があります。見学や体験を通して、お子さん・保護者の方の両方が納得のいく施設を選んでください。
お子さんに合った素敵な施設が見つかることを願っています!
最後まで読んでいただきありがとうございました。
まつこ
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