こんにちは、児童発達支援で保育士として働くまつこです。
以前は公立小学校や放課後等デイサービスでも働いていました。
この記事では、お子さんに合った児童発達支援・放課後等デイサービスを探すためのポイントを紹介します。
こんな人におすすめ
- 児童発達支援・放課後等デイサービスについて知りたい
- 児童発達支援・放課後等デイサービスの利用を検討している
- 子どもに合った施設を探したい
この記事を書いた人
まつこといいます。30歳まで公立小学校の教員として働いていました。
その後は転職をして「放課後等デイサービス」にて働いていました。現在は「児童発達支援」で保育士として働いています。
今回は、職員の視点から「児童発達支援・放課後等デイサービス」の探し方・選び方をまとめました。
「児童発達支援・放課後等デイサービス」を我が子に利用させてみたいという保護者の方の参考になれば幸いです。
お子さんにとって楽しい、良い施設にめぐりあえますように。
児童発達支援・放課後等デイサービスとは?
「児童発達支援・放課後等デイサービス」とは、障害のある子どもたちや発達に支援が必要な子どもたちが通う福祉サービスです。
「児童発達支援」はその中でも未就学児(〜6歳)が対象となっている施設です。施設によって開所時間は様々ですが、午前中に利用したり、幼稚園に行ったあとに利用したりすることができます。
「放課後等デイサービス」は小学1年生〜高校3年生が対象となっています。主に放課後や休日、長期休み(夏休み、冬休みなど)に利用することができます。
また、1つの施設で未就学児〜高校3年生まで通うことができる「多機能型」の施設というのもあります。
誰が利用できるの?
児童発達支援・放課後等デイサービスは、障害のある子どもたちや発達に支援が必要な子どもたちが利用できます。
基本的には児童発達支援が未就学児、放課後等デイサービスが小学1年生〜高校3年生(18歳)までですが、その必要性に応じて20歳までは利用が可能です。
障害者手帳の有無に関わらず、軽度な発達障害等でも本人に支援が必要な場合は利用することができます。
利用には、役所から発行される「受給者証」が必要です。
利用の流れ
❶施設を探して問い合わせをする
児童発達支援・放課後等デイサービスの利用を検討する場合は、まず利用してみたい施設へ直接問い合わせをします。
家や学校の近くにある施設を調べるためには、インターネットで検索をしたり役所の福祉課や子育て支援課(地域によって異なります)の窓口に問い合わせたりすると良いでしょう。利用者の口コミを見ることができるサイトもあります。
お子さんに合った児童発達支援・放課後等デイサービスの選び方のポイントは以下にまとめていますので、参考にしてください。
❷施設の見学・体験をする
お子さんと一緒に実際に行き、見学や体験を通して施設との相性を見極めましょう。
❸受給者証の申請をする
役所の福祉課や子育て支援課で受給者証を取得する手続きをします。受給者証の日数は各自治体によって異なっていて、障害の度合いによって日数が限られてしまう場合があります(「1週間に2日通いたいのに1日しか通えない」など)ので、注意が必要です。
受給者証の手続きをしたことがなく、受給者証が交付されるかどうか不安な方は、施設を探す前に役所の福祉課に相談してみてください。お子さんの発達の状態によって、療育センターや病院の診断が必要な場合もあります。
❹施設との利用契約を結ぶ
利用する日数分の受給者証の交付を受け、児童発達支援・放課後等デイサービスで利用契約を結びます。
❺利用開始
利用契約がすむと、いよいよ児童発達支援・放課後等デイサービスの利用を開始することができます。
受給者証の手続きなどに不安のある方は、児童発達支援や放課後等デイサービスの担当者に聞いてみてください。
手続きの手順を優しく教えてくれますよ!
児童発達支援・放課後等デイサービスを選ぼう
ここからが本題!
児童発達支援・放課後等デイサービスの選び方を手順に沿ってまとめました。
ステップ1.なぜ利用したいのかを整理する
お子さん(または保護者)の「困りごとは何か」、児童発達支援・放課後等デイサービスを「どのように利用したいのか」を整理します。
例えば、
「友達と過ごして、人と協力することを学んでほしい」
「体の正しい動かし方を身につけてほしい」
「相手とのやりとりがスムーズにできるようになってほしい」
「運動を通してあきらめない心をもってほしい」
「共働きで忙しいので、放課後に子どもを預かってほしい」
などが考えられます。
目的に合った施設を選ぶためにも、この段階でどのように利用したいかという思いをしっかりともっておくことが大切です。
ステップ2.条件の優先順位をつける
「児童発達支援・放課後等デイサービス」と一言でまとめていますが、その支援の内容はさまざまです。
ステップ1で考えた利用したい形をさらに具体的に考えて、「ここだけは譲れない」ポイントをあらかじめもっておくと良いです。
条件の例
以下に考えたい条件の例を挙げます。
預かり型あるいは療育型
預かり型とは、放課後〜17:00ごろ(遅いところだと19:00なんていう施設も)までお子さんを預かってくれる施設の形です。活動時間内におやつを食べたり、宿題をする時間が決められていたりするところもあります。
療育型とは、個別や小集団で運動やSST(ソーシャルトレーニング)、学習等をみてくれるプログラムのある施設の形です。
預かり型は比較的長時間預かってくれるところが多く、療育型は短時間(1時間くらい)のプログラムを行なっているところが多いです。
療育の内容(運動系、学習系、図工系、音楽系・・・)
療育型の施設の中にも、さまざまな種類があります。
例えば運動療育は、体を動かしながら体幹を鍛えたりコミュニケーションの力をつけたりする療育です。学習系には、算数や国語などの学習のサポートをするところや、SST(ソーシャルスキルトレーニング)などコミュニケーションや社会性を育てる学習をするところがあります。
そのほかにも、図工や音楽、プログラミングなどを通して、お子さんの得意を伸ばしたり、人とのやりとりを学んだりする療育をおこなっている施設もあります。
送迎のあり、なし
行き帰りに家や学校へ送ってくれるという送迎サービスを行なっている施設もあります。
先ほどの「預かり型」には送迎サービスを行なっているところが多く、「療育型」は自己通所(送迎サービスなし)のところが多い傾向があります。
また、送迎を希望する場合は、自宅や学校が送迎の範囲内かどうかも確認をする必要があります。家や学校からの距離が遠いと、送迎をしてくれないことも考えられます。
さらに、万が一お子さんの具合が悪くなってしまった時に、保護者が施設まで迎えにいかなければならないという急な対応が必要になることもあるでしょう。
そのため、家や学校から施設までの距離も、遠すぎない方が良いです。車が自宅にない方は駅やバス停など公共機関で行くことができるかどうかも確認しておきましょう。
通っている児童の比率(年齢、特別支援学校、個別支援級、普通級、障害の内容等)
同じ施設にどんなお子さんが通っているのかも場合によっては重要なポイントです。
例えば、
「友達と一緒に遊びたい」「相手とのコミュニケーションを学んでほしい」
という希望があっても、いざ入ってみると仲良く話せる同年齢のお子さんがいなかった、ということがあるかもしれません。
そんなことがないように、実際に通っているお子さんの様子も聞いておきましょう。
児童発達支援・放課後等デイサービスを選ぶ際の条件の一例を挙げてみました。優先したい条件はありましたか?
ステップ3.条件に合った施設を探す
「ここだけは譲れない」という条件はありましたでしょうか。
また、「ここは妥協できそうだ」という条件はなんだったでしょうか。
おうちの方の希望だけでなく、お子さんの希望もうかがっておきましょう。
ステップ2で挙げた条件に合いそうな事業所を探して、電話やメールで問い合わせをします。
地域の児童発達支援・放課後等デイサービスの情報は、インターネットや役所の福祉課や子育て支援課(地域によって異なります)の窓口などで得ることができます。
どんな施設があるかを調べてくれたり、手続きを代行してくれたりする「相談支援」という仕組みもあります。自治体によっては必ず相談支援制度を使わなければいけないという決まりがある地域もあります。
相談支援制度について気になる方は、先に役所に問い合わせをしてみてください。
条件に合いそうな児童発達支援・放課後等デイサービスがあれば、見学・体験の申し込みをしましょう。
申し込みの際には、その施設に現状で空きがあるかどうかも伝えてくれます。「児童発達支援・放課後等デイサービス」は1日に預かることができる幼児・児童に定員がありますので、枠が空いていないと入ることができません。
ステップ4.見学・体験をする
通いたい曜日に空きがあれば、いよいよ見学・体験です。
見学・体験においては、ステップ1や2で考えたことを思い出しながら、お子さんに合った施設なのかどうかを見極めましょう。
見学・体験の際に見てほしい点はこちらの記事にまとめました。参考にしていただけたら幸いです。
もしも可能なら、以下のこともしてみましょう!
○通っている児童のお母さんと連絡をとってみる
同じ小学校のお子さんが通っている放課後等デイサービスであれば、ぜひ利用している保護者の方と連絡をとってみてください。
実際に利用している保護者の方から「良いところだよ!」と話を聞けることが一番の安心材料ですよね。
○複数の施設を見学してみる
児童発達支援・放課後等デイサービスは施設によって本当に様々ですので、時間があれば複数の施設を調べたり、実際に見学したりしたほうが良いです。
受給者証の手続き等で時間も手間もかかりますので、複数見学した上で納得のいく施設の利用を申し込むことをおすすめします。
ステップ5.利用の申し込みをする
見学・体験を経てお子さんに合った施設があれば、利用の申し込みをしましょう。
契約時には、週に何日通うのか、送迎はどうするのかなど具体的な利用の仕方について確認をします。
イベント費やおやつ代の有無、災害時や体調不良時の対応などもしっかりと確認をしておくことをおすすめします。
いよいよ利用開始です!
忘れてはいけない“大切なこと”
最後に、児童発達支援・放課後等デイサービスを選ぶにあたって忘れてはいけない「とても大切なこと」をお伝えします。
それは、その場所に「お子さん自身が通いたいかどうか」をしっかりと確認をするということです。
児童発達支援や放課後等デイサービスで働いていて、「保護者は通わせたいけれどお子さんが前向きではなく、結局辞めてしまった」というシーンを何度かみてきました。
児童発達支援・放課後等デイサービスでは、常にお子さんたちが楽しく通うことができるように様々な工夫をしています。でも、お子さんによって相性の違いがあったり、活動内容が苦手だったりすると楽しく通い続けることは難しいかもしれません。
「苦手を克服する」ために行きたくない場所に連れて行かれるのは大人でも嫌ですよね。
実際に児童発達支援・放課後等デイサービスに通うのはおうちの方ではなく、お子さん本人です。お子さん自身が毎回楽しく通えるところに入れてあげてほしいと感じます。
お子さんが「楽しい!」「また行きたい!」と思える施設を探すことができると良いですね。
終わりに
「児童発達支援」や「放課後等デイサービス」と名称がついていても、施設によって雰囲気や活動内容はさまざまです。
どの施設もそれぞれ長所・短所がありますので、実際に見学に行ったり職員の方の話をよく聞いたりしてお子さんや保護者の方が納得のいく施設を選んでくださいね。
お子さんに合った素敵な施設が見つかることを願っています。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
まつこ
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